近年、LEDディスプレイ業界に新たなカテゴリーとして登場したLEDオールインワンディスプレイは、会議、教育、展示ディスプレイ、制御室など、多岐にわたるシナリオで活用されています。最新の「中国本土ファインピッチLED市場分析レポート」によれば、2023年には中国本土市場でのLEDオールインワンディスプレイの出荷台数が5000台を超えました。
主な利用分野と市場シェア

LEDオールインワンディスプレイの主な応用分野は、政府・企業が64%と最大の割合を占めています。ビジネス用途(会議、展示会、ホテルバンケット、デジタル展示など)は26%、教育用途は7%、残りの3%は医療トレーニングやリモートコントロールなどの特殊用途に割り当てられています。
政府と企業での利用:会議・展示用途が中心

政府や企業分野では、LEDオールインワンディスプレイは主に会議や展示用途で活用されています。講堂、多目的ルーム、ホテルの宴会場、メディアスタジオなどで使用され、会議や展示会、貿易ショーでの活用が特に顕著です。
この分野では、LEDオールインワンディスプレイ以外にも、LEDスプライシング、LCDスプライシング、大型LCDディスプレイ、プロジェクターなど、多様なディスプレイソリューションが利用可能です。
市場のディスプレイソリューション比較
- LCDビデオウォール
- 物理的な継ぎ目が大きく、視覚的な美観に影響。主に監視用途で競合。
- 大型LCDディスプレイ
- サイズが120インチを超えられない制約あり。一方、LEDディスプレイは無縫製で大画面を実現可能。
- プロジェクター
- シームレスに拡張可能だが、寿命が短い。LEDディスプレイは寿命が10万時間を超えるため、より競争力がある。
価格面ではLEDオールインワン製品が依然として課題ですが、柔軟な設置や移動性、保守性の高さが魅力となっています。
教育分野での応用:大画面と広画面が鍵

教育分野において、LEDオールインワンディスプレイは主に大学や研修機関での講義やプレゼンテーションに使用されます。講堂、階段教室、研修室での導入が進んでおり、特に100インチ以上の大画面ディスプレイが求められています。
政策面では、70平方メートル以上の教室(50人以上収容)では、100インチ以上のディスプレイが推奨されており、この市場での需要が拡大しています。
販売されるディスプレイのサイズは108~220インチが中心で、特に131~140インチが全体の47%と最大のシェアを占めています。教育市場では、32:9や21:9といった広画面製品も導入され、授業のニーズに対応しています。
今後の展望
LEDオールインワンディスプレイは、市場開発が始まってから5年が経過しました。2024年には、技術、コスト、ブランドの充実、市場認知度の向上が期待され、次の3~5年で1000億元規模の市場へ成長する可能性があります。